ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.11.22 07:24

なぜ私たちは政治に当事者意識を持てないのか


 大方が来年と予想した野田総理の解散総選挙の断行は、
維新の会と太陽の党と減税の間の
「仁義も政策もなき」間柄を浮き彫りにし、
タレント性で政治家を選ぶ限界を露呈せしめたという点で
意義はあったのかもしれない。

 

 30年代に全廃予定ではまだまだ中庸的ではあるものの、
来年の解散総選挙の時点ではその分
世論の風化のおそれがある
原発の問題に視点を促した所にも、
野田総理の解散スピーチの意義はあるかもしれない。

 

 また、誰かが打ち出の小槌を振れば
お金を出してくれるわけではないということを、
野田総理がまさにその期待をさせる
マニフェストを携え政権党となった
自分たちの解散時のスピーチという形で
示したことも意義なしと言えない。
 テレビを見ると事業仕分けの内実に
ふたたび関心が集まっているようだし。

 

・・・・・と、まあ一応現状認識を前提とした上ではそう思うのですが、
しかしこと「政治」がらみの問題になると、
僕には疑問なことがいっぱいがあるんです。

 

 たとえばなぜ現代日本は「スペクタクル社会」化するのか。
 つまり当事者性が希薄で、
政策も不確かな候補者をタレント性で投票する、
まるで映画のスクリーンの前の観客のような立場になってしまう
のはなぜなのか、ということです。

 

 先日も、ワイドショーで、
今度の選挙どうですかと問われた女性タレントが
「ホントに困るんですよね。どこに入れたらいいのかわかりません」
とコメントしていました。

 たしかにこれは政党が乱立している
いまの状況に対しての不満のコメントであり、
その意味では僕自身も同じ意見と言っていいのですが、
もっと手前のところで疑問を持つのです。

 

 政局関係なく、
そもそも「私はこの政党に入れます」って、
テレビで誰かが言ってたのを、
自分はほとんど聞いたことがないんですよ。

 

 それは禁止事項なのかと、
周りの人に訊いたり、 
ネットで調べたりしましたが、 
いまひとつわかりませんでした。

 

 もしタブーなのだったら、
そのワイドショーの司会者の質問自体も予定調和だし、
答えもまた、そうならざるを得ない。

 この女性タレントは初めから、
政治に対する自分の所信を言おうとも思わないし、
言えるとも思ってなくて収録のスタジオに来ている。

 否ひょっとしたら、 
所信自体持ってないのかもしれない。
 そんなもの持っていても、
どうせ喋れないのですから。

 もちろん、
個人が言いたくないのを
何人も強制することは出来ません。

 タレントが自分にそういう色を付けたくない
と言うのなら、
そもそも政治的な要素のある番組には
出なければいいだけです。

 

 そういうところが、どうも曖昧なまま、
予定調和になっているのではないかというのが、
僕の疑問です。

 

 選挙期間中の報道やコメントは、
すべて傍観者的な、
「ショーを外側から見る」という態度に徹しざるを得ない、
ということなのでしょうか。

 

 そんな暗黙の「作法」を、
長年にわたって繰り返し刷り込まれていけば、
国民が政治に対して当事者性を持たなくなるのも
当り前なのではないでしょうか。

 

 つまり肝心の政局を左右する段になって
「自分はここに入れる。
それはこういう理由があるからだ」という
<自由な言論>は
どうもしちゃいけないことになっているのかなと。

 

 それが民主主義社会のルールだとしたら、
ずいぶんおかしなことになっていると思いませんか。

 

 たしかに、
あまりそういうことがおおっぴらになれば、
お金のある政党が番組を占拠し、
一方的な宣伝が大規模に行われる危険性はあるでしょう。

 

 しかし、
もしそれがあまりにも過剰になった場合、
ネットメディアにおいての世論が
ファシズム政権を倒した国のように、
対抗的な意識もまた、
当事者性として育まれるのではないか

・・・・・というのはあまりにも甘い見通しでしょうか。

 

 それとも「島国である日本は
もしファシズムが出てきたら
引き返すことが出来ない。
だからいまのように、
一律に薄い膜で覆っておいた方が
バランスがいいのだ」
ということになるのでしょうか。

 

 小林よしのりさんがもし出馬すれば、
来月のゴー宣道場は開催も危ぶまれると聞きました。
 候補者が言論活動をしてはいけないからだと。

 僕も、前回アンケートに書いてくれた多くの道場参加者と同じく、
世間に対しての影響力を十分に行使できない状態での
小林さんの立候補が
「ワン・オブ・ゼム」に押しこまれるとするならば、
それは手足をもぎ取られた状態での戦いであり、
諸手を上げて喜ぶ事は出来ません。


 ですから、
悩みながらも出られないことにされて
良かったと思います。

 

 しかしもし、
そういう枷がなかったら、
どうだったでしょうか。


 それを、
どうしても自分は
考えてしまうのです。


投票日1週間前に行われる
第32回ゴー宣道場、テーマは

「なぜ政治家に失望するのか?」

平成24年12月9日(日)午後1時 から

『人事労務会館』 にて開催します!


「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

HP上の申し込みフォームからも
申し込み可能となりました
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のHPメニュー「道場参加申し込み」
もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に
「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。
当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。

 道場参加申し込みフォーム

引き続き、往復ハガキでの応募も受付けております絵文字:重要絵文字:記念日

入場料は、お一人1000円です。

参加ご希望の方は、

往復はがき に、『第32回参加希望』 と明記、

さらに、


1.
氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2. 住所

3. 電話番号
4. 年齢

5.
職業(学生の方は学校名)
6.
募集を知った媒体
7.
応募の理由と道場への期待

返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

152-8799

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


まで、お送り下さい。

応募〆切、往復ハガキ、ネット共に

平成24年11/28(水)必着

当選された方にのみ当選通知を送らせて頂きます絵文字:記念日
(往復ハガキで応募された方は返信ハガキで、ネットから応募された方は
 当選メールでの通知となります。)

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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